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執筆者の写真rhythm.war*p

post-vintage ☑

2019年も終わりに近づきました.

この一年を振り返ったときに,ある中学生の女の子からいただいたINSTAGRAMのDMが印象深かく自分にとって重要なことだったように思い出されます.


今年の8月のことだったのですが,彼女からのDMは学校でSDGsについて研究する課題があり持続可能なファッションについて調べているとのことで, #持続可能なファッション のタグがついている (post-vintage のインスタだと思う)中からリズムワープを知り,質問させてもらいたいというものでした.


なにが印象深いかといえば,中学生でこのような課題を研究することにまず驚いたことと,研究材料を収集する手段としてSNSを使うことや,共通の目的があれば企業や年齢など関係なく意見を交わすことができる土壌ができているんだなということ.

今や当たり前のことなんだろうけど,それをナチュラルにできてしまえるんですよね.

rhythm.war*pもpost-vintageも,サスティナブル=持続可能 を軸に考えていないので期待に添える回答になるかわかりませんと断りながら,それでも自分の活動がニュージェネ層の力になるならと思って質問を受けることにしました.

結果彼女からの幾つかの質問が,rhythm.war*pのお店の在り方やrhythm.war*pが提案する”post-vintage”への想いを浮き彫りにしてくれたように感じています.

今年の締めくくりに,幾つかの質問の中から以下の2つの質問をピックアップして,8月よりももう少し深めたアンサーを書き留めておこうと思います.


①なぜ古着屋を始めようと思ったのか

②サスティナブルファッションについてどのように考えているのか


....................


①なぜ古着屋を始めようと思ったのか

自分で古着屋を始めようと思ったきっかけは,何をしたいかわからなくなったときに小学校の卒業文集の将来の夢の欄に”フランスに行く”と書いてあって,この夢を叶えてあげようと思い,漠然と海外に行くことができる仕事をしようと思いました.

最初の就職が古着屋で,この仕事しか私には出来ることがなかったので,古着屋を通して海外で仕事をすることを今でも目標に続けています.


古着屋に就職するきっかけは,高校生の頃に古着を着ていて,個が際立つファッションとしても好んで着ていましたが,時代を超えて感動するものに強く興味を持っていたように思います.

USミリタリージャケットを買ったときにポケットから英語のメモ書きが出てきて,今あるこの服には私の前の持ち主とのストーリーがあったんだなと感動したことがあります.

友達には洗ってないじゃんってドン引きされましたが...笑

当時は海外が今よりも遠いものだったので余計に感動したんだと思います.

よく行ってた古着屋で正社員を募集していたので働くことを決めました.



②サスティナブルファッションについてどのように考えているのか

私は古着屋としてサスティナブルファッションを主軸に考えているのではありませんが,とても良い考えだと共感します.

ファッションは時代を反映するものだと思っています.

現代を象徴するファストファッションは便利でありながら,その背景はあまり知らされていません.経済中心の行き過ぎた消費社会は環境破壊や人権問題を生み出す要因のひとつといえるでしょう.ただそれはシステムの問題そのものよりも,ファストファッションで言えば ″なぜ安いのか?″ という単純な問いさえにも鈍感になり無関心でいることが現代の課題だと私は考えています.


リズムワープが古着屋として大切にしていることは,”時を超えて感動するアイデア”を提案することです.

①で話した高校生の頃の古着で感動した経験から,古着は時間軸を超えたコミュニケーションだと私は捉えています.かつて誰かのお宝だったものが,時を超えてまた誰かの心をときめかせる,そんな瞬間を橋渡しすることに私は幸せを感じるのです.

私にとって古着は鼓動(リズム)をワープ(時間の超越)させるものだと感じています.リズムワープはそんな想いを込めた屋号であり,10年間古着をツールとして″感覚する時空間″をコンセプトにお店をやっています.


上記のような想いを具現化しようと試みているのが,rhythm.war*pが2017年よりリリースしている"post-vintage" です.

post-vintageのコンセプトは″過去と現代イマジネーションの融合″

過去の素晴らしいデザインをセレクトし現代を読み取り表現することに長けた多様なアーティストの手を借りながら,テーマを元に古着に″今″を吹き込み融合することで,時を超えたコミュニケーションを具現化しようと試みています.今を問うものでありながら30年先も誰かの心を動かすポスト・ヴィンテージであるように願いを込めた作品群です.


一方で,時を超えたコミュニケーションには生命性を感じるのです.

一般的な生命の定義はDNAを持ち増殖代謝するものと言われます.ただそれらは人間が定義したものであり,生命の定義に縛られない見方をしたとき,感覚的な表現になりますが,私たち人類が地球に依存する生命体であるなら,人間を魅了しヒトに寄生しながら時を超えて存在する古着も生命体といえるのではないかと考察します.またその惹きつける物質としてのエネルギーに生命性を感じるのでしょう.

そこで、アーティストの表現力を用いて古着に生命(エネルギー)を宿し,その可能性をpost-vintageで探っています.


古着屋の私が生命を探究することは馬鹿げているように見えますが,生命とは何かというビッグクエスチョンは決して学者や研究者だけのものではなく,生命体として誰もが身近に持てる問いだと私は思うのです.


サスティナブルファッションについてどう思うのかという質問に対しては,良い考えだと共感します.しかしながら,サスティナブルファッションだけが正解ではないという気持ちも持っています.

何をどう考えるのか,何を選び誰から買うのか.一つ一つの行動に一票を投じるように,一人ひとりが意見をもって行動していくことがシステムを動かしていくと私は信じています.


post-vintageが"今"を問うものであり多角的な視点を見出す一助となれば幸いです.

....................


質問を受ける前に,研究する動機やサスティナブルについての彼女の意見を伺いました.

中学生でありながら自分の意見を持ち,丁寧で真剣な姿勢はとても勉強になりましたし,意見を持つことは様々な壁を超えるものだと実感しました.

また質問をいただいたことによって自分の中の軸を言語として引き出してくれたので,このような機会に感謝しています.

このブログを書くにあたってコンタクトをとってみたところ,今まさにSDGsについての論文を書いているとのことでした.中学生で論文!と驚きましたが,自分の活動がニュージェネレーションのお役に立てたことを光栄に思いながら,2019年のハイライトとして締めくくります.


2020年

post-vintageが2018年から2年に渡って掲げるテーマ【オリンピックキタイ】がラストシーズンとなります.

2018年ー解体からの構築

2019年ー競争/供創

に続き、2020年のリリースも楽しみにお待ちいただけますと幸いです.


2020年もよろしくお願い申し上げます.



rhythm.war*p


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